「低予算で動画を作れる?」と、よく聞かれますが、工夫すれば作れます。上記のCMもすごく低予算で、しかも短期間での制作だったのですが、スムーズに完成させる事ができました。

今回は上記のCM制作現場の裏側と、低予算制作のコツみたいなのをご紹介したいと思います。

低予算CM制作の裏側

企画がスタートしてからの制作期間は、実質2週間でした。コンセプトに沿って、アイデア出しからスタート。そして「どう描写するか」という表現部分でのブラッシュアップを繰り返して完成。ざっと制作過程をご紹介します。

▼コンセプトやメッセージを元にして、どう表現するかアイデア出し。

▼方向性が決まり、予算と制作期間を考慮して「線画」で表現する事に。まずはラフ。

▼そしてストーリーを絵コンテに。

▼イメージを膨らませるために色をつけてみたり。

▼ナレーションを考えたり、15秒という尺にするために動きを調整したり。

▼アクションをドンドン削ったり足したり試行錯誤。

▼15秒の尺が決まったら、下書きからイラストの描写をブラッシュアップ。

こんな感じで絵コンテを毎日ブラッシュアップし続けて、ようやくアニメーションを付ける編集作業へ。そこから音楽やナレーションをつけて、2週間で完成。

完成したCMはとてもシンプルな映像ですが、ここに至るまでに何度もブラッシュアップが繰り返されて、何度も修正が行われました。けっこう大変な作業ではあるのですが、2週間という短期間で完成できた理由を次にまとめてみたいと思います。

予算なし!時間なし!そんな時にうまく制作するには?

①アイデア勝負!表現を工夫する(撮影のないイラスト描写)

一番大きな問題は「制作費をどうおさえるか」という事なのですが、実質的に一番お金がかかるのが「撮影」です。今回のCMは撮影なしで、イラストを描いて、それを編集で動かして完成させるという、最もシンプルな制作にする事で、コストをおさえました。

また、限られた予算の中で、どうすればコンセプトやメッセージを伝える事ができるか、結局はアイデア勝負の部分が大きいです。限られた中でも、色々なアイデアを出して試行錯誤していくのが最も大切です。

今回のケースでも、当初の予定にはなかった変更を何度も繰り返しています。例えば、イラスト描写だけで表現しようとしていましたが、伝えきれない部分をテキスト表記にしてイラストを小さくしたり、色を極限まで使わない決定をしたり。そうした試行錯誤を繰り返す事で、クライアントの望む予算や納期、クオリティにつながると思います。

②担当者が一緒に制作!

「お任せ、丸投げ」みたいなオーダーだと、結局はうまくいきません。クライアントご担当者さんが、主体的に一緒になって制作してもらえると、予算も抑える事ができますし、短期間で制作もできます。これは予算のある場合も同じですが、ある程度ご担当者さんが制作に参加すると、良いものになります。

制作サイドで全てを決められる訳ではないので、二人三脚で進められると良い作品になりますし、短期間での完成もできます。特に今回のケースでは、自分達で作りたいという意志が、最初からクライアント様にあったので、ナレーションもクラアントのスタッフが行いました。

③スムーズな制作進行!

逆にあーでもないこーでもないと、やり過ぎるのも問題です。最終的に、最初の案に戻ってきたりする事も多いからです。制作サイドに任せる部分と、クライアント様が決定していく部分と、その辺の役割分担をしっかり行えると、スムーズに制作が進みます。今回のケースでは、任せるところは任せて頂けたので、本来時間をかける部分にしっかり時間が割けて、そうでない部分はスムーズに進行して、二人三脚がバランス良く進んだ案件でした。これかなり重要。

まとめ

今回ご紹介したCM制作の裏側では、いい面ばかりを取り上げていますが、けして満足ばかりではありません。ココはもっとこうしておけば良かったという点は多々あります。それでも放送されて一定の成果が出たので良かったと思います。

ここまで書いてきて、結局最も大事になるのは、クライアントご担当者とのコミュニケーションなんだなと思いました。「二人三脚」になるには、やはりどれだけ寄り添えるかが重要ですもんね。

【追記】今回ご紹介した作品が、以下の雑誌で紹介されました。

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